YouTube演奏投稿作品へのSMEからの著作権申し立てに異議申し立てをしてみたよ
概要
実は現在、私がYouTubeに投稿している動画69件に対して、著作権の申し立てが20件ほど来ているんですね…。とはいえ、私の投稿作品はすべて、YouTubeが包括契約を結んでいるJASRAC・NexTone管理楽曲の演奏動画ですので、権利的には全然問題ないものなのです。数えてみたら…結構あるｗ 「著作権の申し立て」というのは著作権侵害の警告ではないということでしたので、気にはなるものの、そのまま許容しておりました…。ですが、以下の曲が全地域でブロックされるという事態になり、さすがにこれはひどいわ…と重い腰を上げることにしましたｗ
簡単な経緯について
この曲をアップしたのが2021/01/17で、当時は著作権の申し立ては来ておりませんでした。最初の申し立ては、作業配信アーカイブに対してでした。それが6か月ほど後の2021/07/15 8:06で、「[著作権侵害の申し立て] 動画は一部の国でブロックされました」というメールでした。
幸い、投稿動画のほうは影響がなかったため、しばらく様子を見ることにしました。それからほぼ毎日のように、大量の作業配信アーカイブ動画に対して申し立てのメールが来るようになりました。以下列挙しましたが、改めて見るとすごい数ですね…。
2021/07/18、2021/07/21、2021/07/22、2021/07/23、2021/07/24、2021/07/26、 2021/07/28、2021/07/29、2021/07/30、2021/08/01、2021/08/03、2021/08/08、 2021/08/10、2021/08/11、2021/08/12、2021/08/16、2021/08/18、2021/08/20、 2021/08/25、2021/08/27、2021/08/29、2021/09/01、2021/09/03、2021/09/05、 2021/09/07、2021/09/09、2021/09/10、2021/09/24、2021/10/04、2021/10/09、 2021/10/10、2021/10/11、2021/10/14、2021/10/15、2021/10/16、2021/10/20、 2021/10/21、2021/10/23、2021/10/28、2021/11/14
しばらくしたらメールも来なくなったので落ち着いたと思ったら…今度は投稿作品のほうに一部の国でブロックという制限がかかってきました。確か今年に入ってからだったかと思います。こちらはメールが届いていませんでしたので、全然気づきませんでした…。でも、まだ日本には制限がかかっていないようでしたので、まだ大丈夫かと思っていたら…ついに全地域ブロックになってしまいました。こちらも全然メールが来ていないようでした。もしかしたら迷惑メール扱いで破棄されていたのかも…でもGmail宛でそれはないかｗ 4月以降に気づいたので、ちょうどこの4月からブレンドＳのアニメが再放送スタートしたというのも著作権管理の変更に影響しているのかなと思いました。
丁寧に制作したお気に入り作品だっただけに、さすがにこれには参りました。そこで、異議申し立てをすることにしました。幸いにも、最近開設したTwitterにてDTM・音楽関係、VTuberの方々からの貴重なご意見を伺うことができましたので、以下のように申し立てをしてみました。私の備忘録として、また今後の皆様の参考のため、こちらに詳細を記載し、ご報告させていただきたいと思います。
異議申し立ての流れ
※以下の画面は、2022年5月現在のYouTube申請画面になります。（仕様はYouTubeにより随時変更される可能性があります）
(1) 「YouTube クリエイターツール」→「コンテンツ」→「著作権の申し立て」→「詳細を表示」で表示される以下の画面から、右側の「操作を選択▼」→「異議申し立て」を選択します。
(2) 以下の画面が表示されたら、内容を確認してチェックボックスにチェックを入れ、「次へ」を押します。
(3) 以下の画面が表示されたら、「著作権保護の例外（フェアユースなど）」を選択して「次へ」を押します。
(4) 以下の画面が表示されたら、内容を確認し、チェックを入れて「次へ」を押します。
(5) 以下の画面が表示されたら、「再利用の種類」に「その他」を選択、理由をテキスト欄に記載し、その下の3つのチェックボックスにチェックを入れ、最後に署名欄に名前を書いて「送信」を押せば完了となります。
（「再利用の種類」は一時期「カバー曲」という選択肢も追加されていたようですが、今回の申請時にはその選択肢がありませんでした。仕様がさらに変わったのかもしれません。）
私は様々な記事を参照しながら、以下の文章を記載しました。なんとか文字数制限の2,000文字以内に収まりましたｗ
この楽曲「ぼなぺてぃーと Ｓ」の権利は著作者「Ｙ０Ｃ１Ｅ」にあります。そして演奏権、録音権、配信の権利はJASRACにすべて信託されています。よってこの楽曲「ぼなぺてぃーと Ｓ」の著作権はJASRACによりすべて信託管理されております。
動画における楽曲演奏、録音は私自身が行っているものです。YouTubeではJASRACとの包括契約が結ばれており、当楽曲の演奏および配信の利用は認められております。つまりYouTubeにおける配信におきましては権利者の同意を前提としており、今回の場合は権利者の承諾を得たものとなります。つまり楽曲の二次利用は法的に認められています。
また動画は誰が見ても明らかなように私自身が演奏しています。私が録音演奏しているのは動画を見れば確認できるはずです。この動画のどの部分に御社のContent ID登録の録音物が関わっているのか、著作権の侵害を主張するのであれば明確なご説明をいただきたい。
この動画は概要欄記載のとおり、2020/11/15～2021/1/16の長期間にわたり約212時間もかけて2021/01/17に私が演奏録音したものであり、御社が管理する録音物ではないことをここに宣言します。
何らかの間違いですので、ご確認よろしくお願いいたします。
下記はJASRAC楽曲権利の参照URLです。（英文の下を参照のこと）
The rights to this song "ぼなぺてぃーと Ｓ" are held by the author "Ｙ０Ｃ１Ｅ" All performance, recording and distribution rights are held in trust by JASRAC. Therefore, all copyrights to this song "ぼなぺてぃーと Ｓ" are held in trust by JASRAC.
The performance and recording of the music in the video is my own work, and YouTube has an umbrella agreement with JASRAC for the performance and distribution of this music. In other words, distribution on YouTube requires the consent of the rights holder, and in this case, the consent of the rights holder has been obtained.This means that secondary use of the music is legally allowed.
Also, as anyone who has seen the video can see, it’s obvious that I’m playing it myself. You should be able to see the video to see what I’m playing on the recording. If you are claiming copyright infringement, please explain clearly what part of this video involves a recording of your company’s Content ID registration, and if you are claiming copyright infringement.
I hereby declare that this video is a performance recording made by me on 01/17/2021 and is not a recording controlled by your company.
This must be some kind of mistake, so please confirm it.
The following are the reference URLs for JASRAC music rights.
https://www2.jasrac.or.jp/eJwid/main?trxID=F20101&WORKS_CD=23150025&subSessionID=001&subSession=start
JASRAC Code: 231-5002-5, ISWC: T-923.412.110-9, "ぼなぺてぃーと Ｓ"
参考にした記事は以下のとおりです。ありがとうございます！
(6) 「送信」ボタンを押すと、意外にあっさりと以下のダイアログが表示されます。
(7) 再度ステータスを確認してみると、「異議申し立ては審査中です」という表示に変わりました。
以下のメールも届いておりました。
異議申し立て…その後のSME様の対応
さて、送信のタイムスタンプが「2022/5/4 11:46」です。ちょうどゴールデンウィークの祝日の正午頃です！ あえてこのタイミングで送ってみました。もし国内での対応であれば、連休明けの5/6か、5/9以降かと見ていましたが、いつ頃回答が来るかを確認してみたら…来ました！
ん？「2022/5/5 6:06」ですって？たしかに数時間程度で対応されるみたいとの情報は経験者の方よりいただいていましたが、すごい時間帯ですよね。日本国内ですと連休中ですし、この撤回メールの送信時間が朝方であることから、海外の拠点で対応されているのかもしれませんね…。日本語がわかるスタッフが対応されているかはわからないですので、英語メッセージも併記しておいて正解だったかもしれません。
というわけで、なんだかそっけない返信メールでしたが、異議申し立てから翌日（約18時間ほど）でめでたくブロックが解除されました！ブロック解除は比較的通りやすいとの情報もありましたが、ほっといたしました。ブログやTwitter、配信等で様々な情報を提供してくださった皆様、本当にありがとうございました！！
ちなみに、配信アーカイブのほうは異議申し立てをしていないので、おそらく今も何らかの制限がかかっているものと思います。今回のこの曲については、「公開作品」がちゃんと「公開」されている状態になったので、これで良いかな、と思っています。
このような異議申し立ての文章のテンプレートを使用すれば、他の曲の著作権の申し立ての件についても対応できそうですね。ただ、90日以内に3回連続して違反警告を受けると、アカウントとチャネルが永久に削除されてしまうようですので、立て続けに異議申し立てするのは危険かもしれません。少しずつ対応していくのが得策なのかもですね。
この情報が皆さまの参考になりますと幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
