超巨大!? 49インチ5Kスーパーウルトラワイドディスプレイの導入は大変だった…(その2)

前の記事に引き続き、導入時の備忘録の続き。

 

使い勝手はどう?

 肝心の使い勝手ですが、とにかく画面が広いっていいですね。液晶の種類による映り方の違いにこだわる方は、発色とかの不満とかあるのかもしれませんが、私は十分満足ですね。基本的にブルーライトカット設定で、輝度とコントラストは最低にするとちょうどよい感じです。夜になると、これでも眩しいくらい。デスクトップの背景を夜景にすると、目に優しい感じです。

 

 画面左右の見え方ですが、かなり大きく湾曲した構造のためか、見る角度が自然で、見えにくいという感じはしませんね。むしろ、左右を見るために首を振らないと見えないくらい左右に広いので大変、という贅沢な悩みが(笑。非光沢仕様なので、映り込みもほぼなくて見やすいと思います。

 

 音については、私が普段使っているモニターヘッドフォンYAMAHA HPH-MT220 に比べると、こもった音で正直音質はよくないです。が、湾曲しているモニターの周りから音が包まれているかのような迫力は感じられるかな、と思います。映画を見るとか良いのかもしれませんね。音に包まれる、という不思議な感じは、モニターヘッドフォンばかり使っている私にとっては新鮮でした。

 

 リモコンがついているのもグッドです。画面右下にあるボタンでのメニューの行き来の操作はかなりきついので、リモコンにある上下左右キーの配置が、直感的で便利に使えています。もうちょっとメニュー操作の反応が良ければよいかなぁと思います。

 

広い画面の使い方はどうする?

 マウス操作は、画面の端から端まで移動するのに、何度もマウスを動かす、という感じなので、移動速度の調整をしていくとよさそうですね。ある程度慣れると、あまり距離感は気にならなくなりますが、よく使う操作は、作業領域の近くで済ませられるように最適化していきたいですね。

 

 まだ、画面をどのように分割したら便利に使いこなせるのか、アイディアが浮かんでこないのですが、使っていきながら、作業領域(おそらく中央付近?)や確認領域(両端)など、自然と効率よく使えるように分かれていくんだろうなぁ、と思っています。

 

 DTMとしての使い方としては、まず以前のディスプレイに比べて高さ(縦)が少々長くなり、表示トラック数が増えたのはうれしいことです。Cubaseではトラックの下にMIDIエディタ画面を開く仕様なので、これは何気にちょっとうれしいところ。ボリュームオートメーション操作も、画面を下に広げて作業していたので、縦表示が広がると、細かな調整など閲覧性が向上しました。私の場合は、数十トラック使用するため、スクロールも多く、できればもうちょっと縦表示も欲しくなります。同じモニタを縦に並べたいくらい(笑。もちろん、大きく変わったのは横表示。あまりに広すぎてどう使ったらよいか戸惑うくらい。以前のモニタでは裏に隠していたMOTIF-RACK XS VSTエディタ画面は、常に参照できるよう、一番右の領域に配置。MIX Console画面も贅沢に右半分に配置して、全オーディオトラックをモニターできます。これはすごい(笑。残りの領域で作業しても、まだ広い感じなので、結構使い余してます(笑。まだまだ広い画面の使い方に慣れてない、という感じです。

 

問題はノートPCでの5Kスーパーウルトラワイド表示!

 さて、ここからも大変です。何しろあまり情報がないものですから。今まではノートPCからのHDMI出力をフルHDディスプレイ接続していました。でも、どうやら調べていると、HDMIにもいろいろなバージョンがあり、バージョン2.0で4Kに対応、ということらしい。あれ、5Kは表示できないの?

 

 とりあえず、ノートPCのHDMI出力を、5Kスーパーウルトラワイドディスプレイに接続してみました。すると、3840x1080で接続ができました。うーむちょっと文字がでかい。これ以上の解像度は選択できませんでした…うーむ困った。そこで閃きました!そういえば、このディスプレイにはKVMスイッチ(PC切替機)機能があるのでした。つまり、画面を左右に分割して、それぞれ別のモニターとして入力できるというものです。

 

 そこで、ノートPCからもう一系統のディスプレイ出力できるアダプタを探しまくりました。すると、USB3.0タイプで接続し、データを圧縮して高解像度モニタに出力できるチップを開発している、Wavlinkという会社の製品が目に留まりました。「5K/デュアル4Kドッキングテーション」(WL-UG69PD1、WL-UG69PD2)というもので、1万5千円~2万5千円くらいするのですが、USB3.0の接続で、4Kケーブル2本(さらにこれを束ねて5Kにも対応)接続できるということなのですが、この製品での5Kというのは、DisplayPortが2個付いている5Kモニタでのみ対応、ということのようです。今回のPhilips(フィリップス) 48.8型 湾曲型 HDR400対応 スーパーウルトラワイド液晶ディスプレイ 499P9H1/ 11」には、DisplayPortは1つしかついていません。この製品だけで5K接続は不可能そうです。でも、ノートPC側から、2560x1440@60HzのHDMI出力を2本用意できれば、KVMスイッチ機能で2台のモニターをくっつけた感じで5Kスーパーウルトラワイド(5120x1440)表示ができるはずです。

 

 さらに製品を調べてみると、バスパワー接続で廉価なUSB3.0アダプターを見つけました。同じくWavlink製USB3.0 to 4K HDMI Adapter」(WL-UG5501H)です。これなら5000円程度で買えます。安い!しかも電源が不要というのが手軽でよいです。早速この商品とHDMIハイスピード対応ケーブルを購入。まずはノートPCにもともとついているHDMI出力を5Kディスプレイの片方のHDMI入力に接続。続いて、ノートPCのUSB3.0端子にHDMIアダプターを接続し、このHDMI出力を、5Kディスプレイのもう片方のHDMI入力に接続。

 

 さて、KVMスイッチ機能で接続してみたところ…成功しました!

 

 ドライバは、Wavlink社から最新版をダウンロードし、説明に従ってインストールしました。ノートPCはWindows8.1でも問題ありませんでした。それぞれのモニタはWindowsのディスプレイ設定で2560x1440で設定、リフレッシュレートは75Hzまで選択できました。ちょうど5Kスーパーウルトラワイドディスプレイが半分に分割されて、2台分としてそれぞれ認識しています。5Kディスプレイの画面中央部分の切れ目も全然わからず、一つながりのディスプレイとしかわからないほど。画面中央部でウインドウの高速移動や高速スクロールをすると、切れ目のところで描画の乱れがわかる程度で、マウスカーソルの移動程度では、全然わかりません。

 

 ただし、USB3.0経由のHDMIアダプターでは、音声出力ができませんでした。(正確には、サウンド設定の音声レベルメーターは振れていましたが、モニターには音が出ませんでした。)いろいろ設定を見直せばいいのかもしれませんが、通常のHDMI出力側でディスプレイからの音声出力は問題なく出ていましたので、今回はまぁよしとしました。ノートPC側では、HDMI出力端子とUSB3.0端子を両方使用する形となりますが、ノートPCで比較的簡単に5K拡張ディスプレイに表示ができて、大満足です。

 

  49インチ5Kスーパーウルトラワイドディスプレイで、こんな使い方をする人って少ないのかもしれませんが、参考になれば幸いです。