【あんハピ♪】PUNCH☆MIND☆HAPPINESSを耳コピしてみた

ってことで、今回はかなり時間をかけて、より丁寧に作りこんでみました。耳コピしてみて、田中秀和さんの曲の混沌の中にある調和とバランス…よく考え抜かれている楽曲の作りだなぁと、改めて感じました。最初に聞いたときは「なんじゃこりゃー!!不協和音ばかりじゃ…?」と採譜を躊躇するほどでしたが(笑。今回の苦労した点などは後述で触れますね。


【あんハピ♪】PUNCH☆MIND☆HAPPINESSを耳コピしてみた

 

■イントロ(2~12小節目)

 裏で左右にうねうね聞こえてくるワウギターの音色がうまく表現できなくて苦労しました。パリッとした感じに他の楽器となじませたかったのですが、MOTIF-RACK XS内蔵EQやインサーションエフェクトの「VCM AUTO WAH」をいじる程度じゃだめだったんで、さらに「UAD API 550A」のEQで音作りをし、さらに「スグに使えるEQレシピ」という本の「ワウの効果を高める」の項目にあったEQパラメータ設定を適用したところ、いい感じに仕上がりました。

 

 白玉系のピアノとストリングスの採譜はちょっと苦労しました。不安定さの表現がこんなにも難しいとは…1音ずつ聞き取って丁寧に打ち込みました。

 

■Aメロ前&2コーラス目Aメロ前のフィル(13、57~58小節目)

 今回、曲中のフィルで使ったギュイーンとピッチが下がる音は、実は「Charan Lead」というギターをベースとした音色なんですよ。結構トリッキーな音になるんですね、新たな発見でした。

 

 ■Aメロ(14~29小節目)

 コミカルな表現となっている、木管楽器とストリングスのピチカート(ピッツィカート)の組み合わせは、前回制作した同じく田中秀和さんの曲「グッドラックライラック」の音色がそのまま使えたんで、助かりました(笑。キラキラの金属音「Twinkle」と、「Xylophone」「Marimba」「Pizza No.1」、そしてストリングス「Medium Hall」の改造音色を合わせています。

 

 フルートの掛け合いの部分、実はフルートだけ音源のピッチを若干下げています。 そうしないと上ずった音になってしまい、楽曲中でなじまず浮いた感じになってしまうからなんですね…。初めてですね、1楽器だけピッチを下げないと曲に合わないっていうのは…。

 

■Bメロ(30~39小節目)

 ジャズ風でおしゃれ感がでるよう、しっとりとした音色選びが重要ですよね…。音色づくりと各楽器の音量バランスに苦労しました。E.Pianoは「GS Tines AF1 & 2」、左側のギターは「Sao Paulo」、右側のピコピコ音は「Mr.Finger」という音色を使用。音量調整に時間をかけて、やっとしっくりきました。

 

■サビ前のフィル(39小節目)

 一瞬で音が下がる、シンセのピコピコ音の部分は、1音ずつ採譜するのが大変でした…。

 

■サビ(40~56小節目)

 ブラスセクションの音程をしっかりとる必要性を改めて感じた曲でした。最初は適当にトランペット×2、サックス、トロンボーン、ブラスセクションの4パート+混成パート程度の構成で、いつもの要領でざっと作っていたんですが、いまいちしっくりこない…。ちゃんと1音ずつ採譜しなおしてしっかりと調整をして音量バランスをとったところ、原曲との既視感が生まれてきて安心しました。結構手間のかかったところです。

 

■間奏(73~80小節目)

 ハンドクラップの音がなかなかパリッとしなくて、困りました(笑。まぁMOTIF-RACK XSの音源で頑張ってハンドクラップの表現をするのは、このくらいが限界なのかもしれないですね…。左側のワウギターの音色調整も難しかったですね。

 

■後半のピアノパート~大サビ前(97~111小節目)

 右のシンセ音、左のギターが徐々に主張してくる部分のバランスや、ブラス楽器の定位(左右+奥行き)、ボリュームのバランスをとって、各楽器の生々しさを表現するのが大変でした。また、一瞬のミュートは、単にボリュームを切るだけじゃぶつ切りで不自然になってしまい、うまく表現できなかったんで、いろいろな工夫と試行錯誤が必要でした。

 

■終曲部(123~134小節目)

 リードギターの採譜は結構しんどかったです(笑。細かく1音ずつ音を採譜して、ピッチベンドで細かく音作りしました。そしてワウギターがうにゃうにゃ鳴り、スクラッチ音で終わる部分は、最後までうまく表現できなかったですね。最後の1小節は結構時間かけちゃった…。

 

■全体

 最初はマスタートラックの出力が飽和状態で音割れしていた感じだったのですが、各トラックの出力を10dBも下げてみたら、しっかりとダイナミクスが出るようになりました。思い切って大胆に音量を下げるということ、試行錯誤することは大事だなぁと思いました。最近はUADのプラグインを大量にインサートするようになってきたんで、全体的に音量が上がってしまうみたいですね。いい勉強になりました。今後は各トラックの音量は下げ気味でボリューム調整していきたいと思います。

 

■その他各楽器について

 

ベース

 今回は、常用しているベース音色ではなく、スラップ系音色「Velo Bass」をメインに、同じくスラップ系でピンポイント的に「Chili Bass」を使い分け、さらにBメロではアコースティックベース「GrooveAcoustic AF1 & 2」をつかってかっこよく仕上げてみました。

 

チューブラーベル

 ところどころアクセントに入っている「TubularBell」音色。いいですよねー。

 

ドラム

ハイハットや、パーカッションの空気感、キックとスネアのパンチ力、また今回は結構強く押し出したタムのバランスが、重要なポイントだったように思いました。

 

ピアノ

 今回の曲はベースとピアノとドラムだけの演奏でも、十分おしゃれでノリの良いリズム感が出るので、ミックスするとピアノのリズム感が失われて、ピアノ好きの私としては、完成した曲だとせっかくのピアノの音が埋もれてしまい、それはそれでもったいないなぁと思ったり(笑。でもこれは曲を作ったり、その過程を見ていた人じゃないとわからないかも…ですが(^^;

↓こんな感じです。


PUNCH☆MIND☆HAPPINESS制作中...アニソン耳コピDTM配信

 

■制作期間について

 前作の公開が2/25で、そのあとすぐにこの作品の制作に取り掛かりましたので、完成まで2か月ほどかかっています…。ただ、4月に入る前にはほぼ採譜、MIDI打ち込みが終わっていましたので、曲全体の作りこみ1か月 + ブラッシュアップ&動画制作&最終チェックに1か月といった感じで、完成度を上げるには製作期間の半分くらいは調整作業に充てないといけないんだなあ、と改めて思いました。