DTM用の自作Dual Xeonマシン
を制作し、環境が整ってきたので、現状のPC構成や、使用感などを整理してみたいと思います。
構成は以下のとおりです。
カテゴリ | 型番 | 数量 |
OS | Windows 10 Pro | 1 |
DAW | Cubase Pro 8.5 | 1 |
CPU | Xeon E5-2695v3 ES 14C/28T | 2 |
CPUクーラー | CORSAIR H60(CW-9060007-WW) | 2 |
マザーボード | ASUS Z10PE-D8/WS(C612) EEB [2011-3x2] | 1 |
メモリ | Kingston KVR21R15S8K4/16(KVR21R15S8/4 *4) | 2 |
グラフィックス | Palit GeForce GTX750Ti KalmX | 1 |
SSD | PATRIOT 2.5 SATA III 6Gbps SSD 960GB | 1 |
SSD(DTM専用) | Silicon Power 64GB(Core i7マシンから移設) | 1 |
HDD | Western Digital WD30EZRZ-LOG | 1 |
光学式ドライブ | LG BH08NS20(Core i7マシンから移設) | 1 |
PC電源 | CORSAIR HX850i CP-9020073-JP | 1 |
PCケース | FractalDesign Define XL R2(チタニウムグレー) | 1 |
チューナー/キャプチャー | PLEX PX-Q3PE | 1 |
無線LAN機器 | WI-U3-866D | 1 |
ウェブキャスティングミキサー | YAMAHA AG06 | 1 |
Firewire拡張カード | SD-PEFWT8-3E1PL | 1 |
初めてのDual Xeonマシンでしたが、慎重に組み立てて電源を立ち上げたところ、いともすんなり起動して、拍子抜けするほどあっさりとOSのインストールができました。一つ失敗したのは、サーバー用途ではないのでWindows 10 Homeでいいだろうと、深く考えずに購入してしまったこと。注文後に、Dual CPUのサポートはWindows 10 Proのみということを知り、再度買い直しました。Windows 10 Homeは未開封のままお蔵入りとなりました(笑。
各部品について。CPUは14コア、28スレッドのものを2個用意。OSのタスクマネージャーではソケット2、28コア、論理プロセッサ数56個分のグラフが表示されて、ちゃんとCPUを認識しているようです。CPUクーラーは簡易水冷を2個用意。初の水冷ですが、取り付けは簡単でいいですね。マザーボードのフォームファクタはSSI EEB規格のもので、通常使用するATXよりも大きいため、PCケース選びは悩みました。このマザーボードを選んだ理由は、とにもかくにもオーバークロックが可能という点(笑。安定重視のサーバー用途として使うのであれば、まず考えられないほどの拡張性と遊び心です(笑。メモリは8GBを4枚用意。計32GBもあれば、まぁ十分でしょう。4枚用意した理由は、クアッドチャネルにより、データ転送速度(帯域幅)が4倍になるため。また、メモリに関する注意としては、一般向けではない「Registered」、「ECC対応」のものを選ぶこと。私が注文した型番のメモリは、注文してから3週間くらいかかりました。GPUは、Cubase使用時に以前発生していた「Wavesプラグインのインサートが32個を超えるとプラグイン画面が真っ白になる」というバグを回避できる程度の性能のもので、追加電源不要、かつファンレスのものを探していたら、これ一択になりました。SSDは格安の1TB。これだけの容量があれば、OSとアプリを一緒に入れても容量を心配する必要はないですね。さらにDTM専用のプロジェクトフォルダを格納するSSDを旧マシンから移設しました。HDDはWestern Digitalの3TB。主にTV録画用です。PC電源は、少々値が張りますが、80PLUS PLATINUM認証を取得したCORSAIRのハイエンド電源ユニット、容量はDual CPU構成による消費電力を考慮し、余裕をみて高めの850Wにしました。PCケースは、最近人気があるというFractalDesignの大型ケースを選定。これにZ10PE-D8/WSを取り付けたところ、10か所中、2~3か所でしょうか。ケース上に台ねじ(六角スペーサーミリネジ)用のねじ穴がなく、取り付けられないところがあったものの、ちゃんと固定されたので良しとしました。CPUファンや拡張ボードの抜き差しには、強い力で押し込んだりすることのないように気を付ける必要がありそうです。TVチューナーはPLEX社製 8チャンネル同時 地上デジタル・BS・CSクアッドチューナーを取り付け、旧PCで使っていたカードリーダーを使って視聴・録画ができています。OS起動時にチューナーデバイスが無効になることがあるため、Windows Driver Kit (WDK)をインストールした上でキャプチャカードを再起動させるバッチファイルを用意し対応していますが、それ以外はすこぶる問題なく動作しています。時間があれば別記事を作りたいですね。FireWire拡張カードは、MOTIF-RACK XSとのIEEE1394(m-LAN)接続用。Texas Iunstruments社製のコントローラーを搭載し、Cubaseとも問題なくMIDI/オーディオデータの送受信ができています。ウェブキャスティングミキサーは、DTM制作風景の配信用に用意(笑。通常はこのミキサーの売りである、PC音を「LOOPBACK」させる機能をオンにするのですが、私の場合は、PC音をヘッドフォンでモニターし、MOTIF-RACK XSやマイクからの出力のみを配信側に出力させたいため、「INPUT MIX」という設定にしています。耳コピ作業時には、原曲をモニターしながら打ち込み・演奏するのですが、管理楽曲の配信では、原曲は配信NG、演奏はOKというルールに沿うためです。このあたりの設定についても、時間があれば備忘録を残しておきたいところです(笑。
さて使用感について。CPUは2.2GHzのものですが、すでにBIOSでオーバークロックの設定を弄っております(笑。BCLKを100→105に変更し試用しているところです。電源プランを「省電力」にすると、動作周波数は1GHz台に落ち、「高パフォーマンス」にすると、2GHz台になります。x265エンコードを複数同時実行すると2.47GHzに達し、56論理コアはすべて使用状態となり、CPU使用率はほぼ100%になります。Cubase Pro 8.5使用時は、2.38GHzほどですが、Cubaseのバージョンアップによる速度向上と、ハードウェアの刷新により、旧PCの数倍は処理性能が上がったように感じます。ただ、音楽制作という性質上、リアルタイム処理が重視されるため、トラック数の多いプロジェクトの場合は、それでもかなりシビアな状況になることがあります。私の場合は、トラック数が100近くになることがあり、また各トラックに多くのプラグインがインサートされているため、96kHz/24bitのプロジェクトファイルでは音切れが多数発生します。仕方なく48kHz/24bitに落としてなんとか音切れを最小限に抑えることができるといった感じです。あとはOSの不要な常駐サービスの無効化や、CPUコアの割り当てを可能にするソフト等による最適化など、いろいろ試みているところです。夢のような快適ライフを過ごせるかと思いきや、結構調整が難しいものだなぁと感じる今日この頃です(笑。